みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
今日紹介する東北の話題は、岩手県盛岡市で9月12日金曜から16日火曜まで行われる「盛岡八幡宮例大祭」と「盛岡秋祭り2025」です。
盛岡市の無形民俗文化財に指定されている盛岡八幡宮例大祭の山車行事は今から約300前の1709年9月14日、南部藩の街造りが完成したことを祝い、
城下二十三町の町民がそれぞれ趣向をこらした「丁印(ちょうじるし)」を八幡宮に奉納して三日間城下の目抜き通りを練り歩いたのが始まりと伝えられています。
丁印は町のシンボルという意味で、盛岡城下それぞれの町の消防、自治的組織の標識でした。
この祭りのために、お盆明けから各町内で山車づくりや太鼓の練習が始まります。
今年、盛岡八幡宮の例大祭には、七台の山車が奉納されます。山車には歌舞伎や歴史上に出てくる英雄豪傑の人形と多くの造花が飾られ、絢爛豪華な山車が出来上がります。
それぞれの山車に若衆がつき、南部独特の音頭をとり、太鼓を打ち鳴らしながら市内を練り歩きます。
祭りのハイライトは、14日の厳かな神事である八幡下りと、15日の宵闇に電飾が映える盛岡山車大絵巻パレードで、どちらも全ての山車が勢ぞろいします。
そして16日には、流鏑馬(やぶさめ)の神事も行われ、この日のために鍛えた射手の豪快な弓打ちが披露されます。
期間中は、参道から八幡宮の通りにかけて屋台がたくさん出て、参拝の人たちで大変賑わいます。
盛岡山車は、巡航する各団体へ寄付をした返礼として、その年のそれぞれの団体の山車絵を描いた「番付」と言われる絵紙を渡す習慣があり、まつり期間後も寄附した店舗では山車番付が掲示されます。
貼られている番付が多ければ多いほど繁盛しているお店ということがわかります。
このお祭りは盛岡に秋の訪れを告げる祭りで、山車が終われば盛岡は一気に秋の風景に変わっていくそうです。
今回は9月12日から16日に行われる「盛岡八幡宮例大祭」と「盛岡秋祭り2025」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は岩手県で語られていた民話「ほととぎすとかっこうどり」です。
お話に出てくる「ほどっこ」は「山芋」、「がっこなとこ」は「固いところ」、「やえとこ」は「やわらかいところ」、「かせる」は「食べさせる」という意味です。