今週の2本目は、女性2人の冒険と友情を描いたロードムービー『テルマ&ルイーズ』4Kレストア版でのリバイバル公開です。
1991年に製作されたリドリー・スコット監督の作品で、アカデミー賞&ゴールデングローブ賞の脚本賞を受賞しています。
【STORY】
平凡な主婦のテルマとウェイトレスのルイーズは週末のドライブ旅行に出発。
その途中、立ち寄った酒場の駐車場でテルマが男に襲われそうになり、助けに入ったルイーズが護身用の拳銃で男を射殺してしまう。
さらに次から次へとトラブルが重なり、警察に指名手配された2人は、車でメキシコを目指し逃避行を続けるうちに、自分らしい生き方に目覚めていく……。
現在、日本でも性的被害の話題が連日取り上げられている。
アメリカでも女性の存在が軽んじられていた時代が長くあり、近年の#MeToo(ミートゥー)運動で女性が声をあげる時代になった。
この作品は30年以上も前に作られ、性的被害を受けた女性の正義というテーマは時代を先取りしていて、今観ても全く古さを感じない傑作である。
旅のおもなロケ地は、ユタ州立公園「デッド・ホース・ポイント」という有名な観光地。
1億5000万年のコロラド川の侵食でできたダイナミックな絶景を走り抜ける彼女たちの車は、1966 年型フォード・サンダーバードのコンバーチブル。
とても綺麗でツヤツヤだったライトブルーの車が、いつしか埃にまみれていく……。
そして、2人の旅も「リフレッシュのための週末旅行」が「殺人犯として逃亡する旅」に変わり果てる。
彼女たちに同情的で理解者とも言える刑事ハルが「追い詰めて次の犯罪に走らせたくない」と配慮するが、ラストはとんでもないシーンで終わる。
それは絶望的でありながら、なぜか爽快!
監督・製作:リドリー・スコット
脚本:カーリー・クーリ
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット
1991年/アメリカ/129分
配給:アンプラグド https://unpfilm.com/thelma_louise/
2月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ館ほか全国順次公開
関西では、シネ・リーブル梅田 シネ・リーブル神戸