みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
今年はサンマが豊漁といわれています。そこで今回は岩手県大船渡市で食べられる「大船渡さんまら~めん」を紹介しましょう。
大船渡市には全国有数のさんま水揚げ漁港があります。
そこでとれた新鮮なさんまを使って、市内の飲食店がオリジナルラーメンを提供しています。大船渡さんまら〜めんの定義は
・大船渡産のサンマを使う
・パンフレットを置いたり、大船渡産の食材を使うなど大船渡の宣伝を行う
・価格は一律で、現在は850円
を定義に、2010年に誕生しました。
現在、さんまら~めんを出す店は7店舗で、出汁にサンマ節を使った「さんま出汁ラーメン」と、
トッピングにさんまを使った「さんまラーメン」のどちらかを食べることができます。
まずは、碁石海岸レストハウスの「大船渡さんまら~めん」を紹介しましょう。
ご主人が大船渡さんまら~めんの発起人でこちらのお店では、ラーメンにさんまのみりん干しが丸ごとのっています。
一口目はスープをそのまま味わって、徐々にみりん干しをほぐしながら食べるのが流儀とのこと。
すっきりとしたしょうゆスープが少しずつ甘みを増し、さんまの脂でコクと香ばしさも生まれます。
気になるさんまの生臭さは脂を減らすことで消せると気がついて南部鉄器のフライパンで焼いてみたそうです。
これで焼くと余計な脂が出て、さんまもふわふわになり美味しいさんまら~めんが出来上がりました。
次は「さんま出汁ラーメン」の店「黒船」です。
ご主人は神戸出身で、ロックが大好きとのこと。岩手ラーメン総選挙でも優勝経験を持つ、大船渡さんまラーメンの代表格です。
さんま節と南部どりから作る黄金スープと歯切れの良い細めのストレート麺で醤油と塩の二種類から選べます。
最初はさんま出汁というだけで、「生臭いんじゃないの」と敬遠する人が多かったそうですがそれでも地道にコツコツ作り続けて、次第にお客さんも増えていったそうです。
2013年には「黒船」のカップラーメンが全国で販売されました。
他にも、岩手で有名なラーメン店「宝介」の大船渡店で「さんまみそラーメン」が食べられます。
こちらのラーメンは、さんまのすり身と旨味を抽出した自家製さんまオイルでまったり濃厚みそ味に仕上げた一品です。
さんまのすり身が、団子ではなくひき肉状に入っているのでよりさんまのうま味がスープに溶け出しているそうです。
地元の食堂「まるよし」の大船渡さんまら〜めんは、醤油ベースのラーメンで、トッピングに「さんまの竜田揚げ」をはじめ、わかめ、めかぶをのせています。
あっさりまろやか醤油味と磯の香りの相性は抜群です。
今回は岩手県大船渡市の「大船渡さんまら~めん」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は岩手県で語られていた民話「うずらっこ山の酒盛り」です。
お話に出てくる「夜ではり」は「夜に出かけてばかりいる人」、「ねまっていた」は「座っていた」、「いっこ」は「ちっとも」 という意味です。