みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。

写真提供:秋田県
今日紹介する東北の話題は、秋田県湯沢市で6月14日土曜と15日 日曜に行われる「小町まつり」です。
湯沢市は小野小町が生まれ育ち、都の宮中にて仕えたのち、晩年まで過ごした地です。
絶世の美女として多くの逸話を持ち、女流歌人としても、歌が古今和歌集や小倉百人一首に撰ばれるなど活躍した小野小町。
14日の「宵祭」では小野小町の生涯を伝承に基づき再現した「小町逢瀬の図」が小町舞台で演じられます。
湯沢市には「深草少将の百夜通い」という伝承が残されています。
小野小町に想いを寄せていた深草少将は都を去った小野小町を追いますが、「百夜連続で私の元に芍薬を一株ずつ植えて、百株になったら想いに応える」という条件が出されました。
こうして深草少将の百夜通いがはじまったのですが…。
果たして深草少将は、出された条件を達成して小野小町の心をつかむことができたのでしょうか。
平安時代の雅な衣装や舞台と、光と音の効果も交えた、幻想的で情緒あふれる演目です。
この伝承にちなみ、「小町まつり」は芍薬の咲く6月の第二日曜に毎年行われています。
ほかにも「小野小町の唄」にあわせて振付された「小町おどり」の奉納や、「小町太鼓」の演奏が行われます。
15日の「本祭」では、小町娘が行う神事を中心にさまざまな行事が催されます。

写真提供:秋田県
小町娘は湯沢市出身の女性から毎年七人が選ばれ、6月1日に前年の小町娘から今年度の小町娘へ引き継ぎの式が行われています。
小野小町が詠んだ七首の和歌を朗詠し奉納する「奉納行事」、地元の幼稚園児が平安時代の衣装に扮して小町娘と会場を歩く「稚児行列」、
小町娘の「有料撮影会」や「もちまき」など盛りだくさんで賑やかなイベントです。
今回は秋田県湯沢市で六月十四日と十五日に行われる「小町まつり」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は秋田県で語られていた民話「飯かね嫁」です。
お話にでてくる「飯かね」は「ご飯を食べない」、「しんばり棒」は「鍵のかわりの太い棒」、「くぐって」は「結んで」という意味です。