今週のとっておきの1本は、横浜市中区全面協力のもと、オール横浜ロケで撮影が行われた『ラプソディ・ラプソディ』。劇中に、実在のレストランや花屋などがそのまま登場するのも見どころとなっています。もしあなたの知らない間に、全く知らない誰かとの結婚届けが出されていたら、さぁどうする? 犯罪ではなくファンタジーのような……そんなお話。

©2026 利重剛
シネマエッセイ
茅ケ崎・鎌倉に並んで横浜はサザンファンにとって“聖地”である。横浜が舞台になったサザンナンバーもあるし、原坊の実家の天ぷら屋さんもある。サザンファンの私が初めて横浜を訪れたのは、1995年の夏に行われたスーパー・ライブ・イン・横浜「ホタル・カリフォルニア」だった……と思っていた。みなとみらいの海辺での野外ライブ。今は亡き西城秀樹さんが出演したり、花火が上がったり……強烈に楽しませてくれたこの横浜でのライブをきっかけに、私はサザンを追いかけて全国のライブ会場に参戦するようになったのだ。しかし、実はその10年ほど前に一度横浜に行っていたことを、このエッセイを書きながら思い出した。そうそう、ある出版社の招待で開園したばかりの東京ディズニーランドに行った時に、横浜のホテルニューグランドでランチをいただいたのだった。山下公園に面した、当時から重厚でクラシックなこのホテルにいつか宿泊してみたいと憧れたものの、いまだに実現はしていないが。その後、ライブで訪れた2度目の横浜では元町商店街を堪能した。ミハマの靴やキタムラのバッグを知り、老舗ベーカリーとして有名なウチキパンではお土産に食パンを購入したりと、横浜かぶれになった。それからしばらくの間はライブのたびに横浜を楽しんだものだが、最近はチケットが取れず、ずいぶん長い間のご無沙汰ではある。
映画『ラプソディ・ラプソディ』は、そんな横浜が舞台のお話なので観ているだけで心ときめく。山下公園界隈や元町、有名なクラシックレストラン、老舗生花店などが出てきて、「あ~、また横浜に行きたい!」と思ってしまう。背景となる映像はお洒落なのだけれど、主人公が絶対怒らない人間でおっとりしているから、ありがちな軽い匂いがしない。勝手に結婚届けが出されていたという不穏な出来事から始まるのに、悪人は出てこない。GWにほっこり観るのに最適な作品ではないだろうか。さらに、サザンファンにとってはベースのムクちゃんこと関口和之さんが少しだけ現れるので、最高に嬉しいかも!

©2026 利重剛
ストーリー
“絶対に怒らない男”・夏野幹夫。ある日、役所で受け取った住民票を何気なく見ると、そこには全く身に覚えのない“続柄:妻”の文字が―! どうやら、1年も前に<繁子>という名の女性が自分と勝手に籍を入れていたらしい。でも、一体なぜ?何のために―? 正体不明の妻を探して街中を探し回る幹夫。諦めかけていたその時、偶然に<繁子>を見つけることができたが、彼女は幹夫を見るなり猛ダッシュで逃走! 街中を走り回り追いかけっこする二人だったが、幹夫はタイミング悪くトラックと衝突してしまう…。予想外の出会いから始まった二人の関係の行方は――!?

©2026 利重剛

©2026 利重剛
監督・脚本:利重 剛
出演:高橋一生 呉城久美 利重剛 芹澤興人 大方斐紗子 関口和之(友情出演)/ 池脇千鶴
2026/日本/106 分/配給:ビターズ・エンド ©2026 利重剛
https://www.bitters.co.jp/rhapsody/
5月1日(金)全国順次公開
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