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【とっておきシネマ】ニュージーランド映画『ドライビング・バニー』

さて、「とっておきシネマ」今週のもう1本は、珍しくニュージーランドの映画。
まるでアメリカ映画かと思うような展開で、ニュージーランドだけでなく世界中が抱える問題をストレートに描いています。

©2020 Bunny Productions Ltd

【STORY】
妹夫婦の家に居候中のバニー。
過去のある事情から、子どもたちとは監視付きの面会交流しかできない。
それでも明るい笑顔と気の利いたトークで車の窓拭きをして必死に働いている。
なぜなら、娘の誕生日までに新居へ引っ越し、家族水入らずの生活を再開させるという夢があるから。
そんなある日、妹の新しい夫が継娘(姪)のトーニャに言い寄る光景を目撃。
カッとなったバニーは義理の弟に立ち向かうも、家を叩き出されてしまう。
「家なし、金なし、仕事なし」運の尽きたバニーは、救い出したトーニャと共に、ルールもモラルも完全無視の“子ども奪還作戦”に突っ走るー。

©2020 Bunny Productions Ltd

【REVIEW】
監督は、ゲイソン・サヴァットというニュージーランド在住の中国人女性。
原題は「The Justice of Bunny King(バニー・キングの正義)」
主人公のバニーは、とても真っすぐで愛情深く勇敢な女性だが、彼女の行動に共感する人、応援する人は少ないのでは?
バニーの正義には共感できるけれど、その行動はいつもハチャメチャで「どうしてそんなことするの?」と思うのは私だけではないだろう。
けっして自分から悪い方向に行こうと意図しているわけではないのに、なぜか最悪の選択をしてしまうバニー。
彼女はカッとなりやすい性格で、過去にはそれが原因で大きな過ちを犯しているのに……変わることができないバニー。
我が子に会いたい一心で奔走するシングルマザー・バニーの姿を通して、社会からこぼれ落ちてしまった人々への救いについて問う作品。
物語の後半、バニーの子供を保護する家庭支援局の女性スタッフが見せる情のある眼差しに、安堵の気持ちが湧く。
主演はエシー・ディヴィスというオーストラリア生まれの女優で、やけっぱちバニーを明るく強く演じている。

©2020 Bunny Productions Ltd

監督:ゲイソン・サヴァット
出演:エシー・デイヴィス トーマシン・マッケンジー エロール・シャン トニ・ポッター  ザナ・タン
2021 年/ニュージーランド/100 分/配給:アルバトロス・フィルム
https://www.bunny-king.com/
9月30日(金)~ ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ ほか 全国公開
関西では、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都など シネ・リーブル神戸は10月7日(金)~

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