みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
今日紹介する東北の話題は、山形県酒田市で5月19日月曜から21日水曜まで行われる「酒田まつり」です。
日枝神社の例大祭「山王祭」として、慶長14年(1609)から400年以上続いているお祭りで、酒田大火復興記念となった昭和54年から「酒田まつり」として開催しています。
「西の堺・東の酒田」といわれ、江戸時代に北前船の交易により栄えた酒田市。
「酒田まつり」はその酒田市で一番賑やかなお祭りです。
鶴岡市の「鶴岡天神祭」、「大山犬まつり」とともに山形県の庄内三大まつりのひとつに数えられています。
江戸時代の酒田の豪商・本間家の基礎をつくったは、1762年、京都の祇園祭の巡行を参考に、京都の職人に亀笠鉾を創らせました。
木彫の大亀の山車は細部までリアルに作られ、今にも動き出しそうだと大いに賞賛され、山王祭のにぎわいに拍車をかけたといわれています。
さらに「立て山鉾」が高さを競うように立ち始め、山王祭を見るため、船に乗って江戸や大阪から多くの人々がやってきて酒田の港はたくさんの船の帆柱で埋め尽くされたといわれています。
また、「酒田まつり」になった昭和54年からは、街の発展と災害防止の願いを込めて、悪病・災害よけのしるしとされる獣として民間信仰の象徴だった大獅子が製作されました。
大獅子は黒と赤の二対四体で縦横2mの頭に胴体10mの大きさです。酒田まつりの山車行列で初めて街を練り歩きました。
現在は大獅子が四体とその仔獅子が四体、さらに赤ちゃん獅子八体が誕生し、合わせて十六体の大獅子ファミリーとなって毎年酒田まつりを盛り上げています。
19日に宵祭りが行われ、20日の本祭りでは大獅子や仔獅子、立て山鉾、傘鉾など約五十台の山車行列が練り歩きます。
今回は山形県酒田市で5月19日から21日まで行われる「酒田まつり」を紹介しました。
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は山形県で語られていた民話「屁たれ嫁」です。
お話に出てくる「むかさっだ」は「嫁にいった」、「たっじゃらよかんべぇに」は「屁をしたらよいのに」、「しょうしくて」は「恥ずかしくて」、「ごしゃいで」は「おこって」という意味です。