サウンドブランチ 鳥飼美紀です。
兵庫県では、新型コロナウィルスの影響で、不要不急の外出・会合の自粛が要請されています。
映画館でも映画の公開延期や座席の間隔を空けるなど、それぞれ対策がとられています。
番組内でご紹介した映画は参考として、収束後の安全な環境でゆっくり鑑賞していただけたらと思います。
さて、今週ご紹介した映画は『フェアウェル』という作品です。
中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督が、自身の体験に基づき描いた物語です。
NYに暮らすビリーは中国系アメリカ人。
ガンで余命3ヶ月と宣告された祖母に会うために、家族で中国へ帰郷することに。
家族は病のことを祖母に悟られないように、集まる口実として、いとこの結婚式をでっちあげる。
祖母にガンを告知をするべきだと訴えるビリーと、悲しませたくないと反対する家族。
葛藤の中で過ごす数日間、うまくいかない人生に悩んでいたビリーは、逆に祖母から生きる力をもらう。
ビリーはこのまま中国に残り祖母の看病をしたいと思うが、母に反対されてしまう。
家族でぶつかったり、慰め合ったりしながら、とうとう嘘の結婚式の日を迎えるが、果たして無事に式を終えることはできるのか?
そして帰国の朝、彼女たち家族が選んだ答えとは…?
ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門で、主演女優賞を受賞した主演のオークワフィナ。
そのほか、作品としても様々な賞を受賞している『フェアウェル』は、昨年全米でわずか4館で公開スタート。
にもかかわらず、口コミで上映館数が飛躍的に増え、3週目にはTOP10入りを果たしたという大ヒット話題作です。
フェアウェル(Farewell)とは“お別れ”という意味だそうですよ。
冒頭に一羽の小鳥が部屋に入り込んでくるシーン…。。
祖母の死という悲しい物語ではなく、ヒロインが懸命に答えを探し求め、自分の中の小鳥を解き放つことを象徴しています。
中国で生まれ、幼い時に両親とともにアメリカに移り住んだビリー。
パスポート上はアメリカ人でありながら、そのアイデンティティに悩み続けているビリー。
そんな彼女が、再会した余命わずかな祖母によって、人生を覆う靄を晴らし、強く生きる力をもらうのです。
自身の体験やリアルな想いを詰め込んだルル・ワン監督は、作品の中で米中の文化摩擦をユーモアたっぷりに描いています。
ニューヨークタイムズはこの作品を「強烈で、そして笑える」と評していますが、価値観の違いに驚き、笑った後に、大きな感動が待っているはず!
監督:ルル・ワン
出演:オークワフィナ ツィ・マー ダイアナ・リン チャオ・シュウチェン
2019年アメリカ 100分 配給:ショウゲート
http://farewell-movie.com/
4月10日(金)~ 大阪ステーションシティシネマ OSシネマズミント神戸 TOHOシネマズ西宮OS などで公開予定。
※公開延期になりました。公開日が決まりましたら公式サイトで発表されますのでご確認ください。