みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。
この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
さて、今日紹介する東北の話題は、山形県尾花沢市の銀山温泉です。
尾花沢市の中心部から車で約30分。銀山温泉の始まりは、慶長年間(約400年前)といわれています。
「銀山」の名前の由来となったのは、江戸時代の初期に栄え、最盛期には日本三大銀山にも数えられた延沢(のべさわ)銀山です。
江戸中期になると産出量が落ち、銀山は事実上閉山となりましたが、その後、温泉地として栄えるようになりました。
周囲を山に囲まれ、大正末期から昭和初期に建てられた木造多層の旅館が、温泉街の中心を流れる銀山川を挟んで立ち並んでいます。
まるで昔の日本にタイムスリップしたかのようなノスタルジックな町並みが広がる銀山温泉街は、
NHK連続テレビ小説『おしん』の舞台となったことで一躍脚光を浴び、その名が全国的に広がりました。
また、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に出てくる湯屋が銀山温泉をモデルにしているのではないかとも言われています。
尾花沢市では、風情ある旅館を保存し観光復興に生かそうと、昭和61年に「銀山温泉家並保存条例」を制定しました。
電線類を地中化したり、3m近く積もる雪を溶かすため歩道の下に地下水を流す融雪システムを整えたり、特徴的な建物を保存したりしながら銀山温泉の景観を守ってきました。
大正2年の大洪水でかつての茅葺屋根の旅館はほとんど押し流されてしまいましたが、
その後、木造多層旅館街に生まれ変わったときに、各旅館がその豪華さを競ってこて絵を描いたといわれています。
こて絵とはしっくいを用いて作られるレリーフで、職人が左官ごてで仕上げたものです。
柱への装飾や看板、戸袋、壁などに、着色された漆喰を使って屋号や縁起物の絵柄などが描かれています。
夕方になると、ガス燈や旅館の各部屋に明かりが灯り、暗闇に浮かび上がるレトロな町並みが、一斉にライトアップされて輝きを放ち、幻想的な雰囲気に包まれます。
散策しながら楽しめる銀山グルメでは地元、尾花沢産の蕎麦粉を使った十一蕎麦や創業130年の豆腐店が作る 立ち食いの豆腐と生揚げ、
そして、休日には数百個売れるカリーパンなどがあります。
観光スポットの白銀公園には、入り口付近に落差22mの「白銀の滝」があり冬は氷瀑が見られるそうです。
他にも、洋服の上から簡単に着られる着物や袴などを貸し出してくれる衣裳店があり雪が降る中、番傘をさして散策となれば、さらに大正ロマンの雰囲気が楽しめます。
お客様同士が『一緒に写真を撮ってください』と声を掛け合うすてきな光景も見られるそうです。
皆様も大正ロマンの湯の街、銀山温泉で日々の疲れを癒してみませんか。
今回は、山形県尾花沢市の銀山温泉を紹介しました。
尾花沢市観光物産協会 https://www.obane-kankou.jp/
ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。今回は山形県で語られていた民話「沼神の手紙」です。
お話に出てくる
「道さはだがってだ」は「道いっぱいに立ちはだかる」
「死なんなねっだ」は「死ななくちゃならない」
「ええあんばい」は「いいぐあい」という意味です。