【とっておきシネマ】フランス映画『私の知らないわたしの素顔』

サウンドブランチ 鳥飼美紀です。

今週は、ジュリエット・ビノシュ主演のフランス映画『私の知らないわたしの素顔』をご紹介しました。

©2018 DIAPHANA FILMS-FRANCE 3 CINÉMA-SCOPE PICTURES

あなたは、自分の行動すべてについて明確な説明ができますか?

自分では気がつかなかった〝感情“が、あなたにある行動を起こさせたとしたら?

この映画の主人公は、“加齢”というコンプレックスに囚われてしまった知的な中年女性です。

彼女の心の奥底には、彼女自身も忘れてしまいたい、ある“感情”が潜んでいました。

大人の女性にこそ観ていただきたい、興味深い作品です。

©2018 DIAPHANA FILMS-FRANCE 3 CINÉMA-SCOPE PICTURES

大学で文学を教えている50代の美しき教授クレールは離婚歴があり、息子が二人いる。

ある日、親子ほども歳の離れた若い恋人リュドにあっさり捨てられてしまう。

Facebookでもリュドから拒否されたクレールは、新しいアカウントを作り“24歳のクララ”と偽って、彼の友人アレックスと繋がる。

それはリュドとふたたび繋がりたいがためだったが、SNSの中でアレックスとクララが恋に落ちてしまったことで、事態は思わぬ方向に転がっていく。

やがてクレールは、本当の自分を明かしたい衝動に突き動かされ……。

©2018 DIAPHANA FILMS-FRANCE 3 CINÉMA-SCOPE PICTURES

SNSの中で自分を偽ることの無意味さ、怖さなどが描かれると思って見始めましたが、とても心理的に深い内容であることに途中から気がつきます。

物語はクララと精神分析医ボーマンとのカウンセリングの中で語られていきます。

SNSの中でクレールが“クララ”を名乗りますが、彼女は『24歳のフリをしたわけではない。私は24歳だった』とつぶやきます。

50代という自分の真実の姿や、現実の世界を受け入れられないクレールの心が切ない……。

人は死や老いを直視するのを恐れるが、クレールが恐怖するのは『見捨てられること』なのでした。

そんな彼女は、どんな思いで“24歳のクララ”に成りすましたのか?

その本当の理由が明らかになるとき、あなたはクレールの思いに共感するのか、同情するのか、それとも……。

私は……クレールの背中をそっと撫でてあげたいような、そんな気持ちになりました。

©2018 DIAPHANA FILMS-FRANCE 3 CINÉMA-SCOPE PICTURES

監督:サフィ・ネブー

出演:ジュリエット・ビノシュ ニコール・ガルシア フランソワ・シビル

2019年 フランス 101分 配給:クレスト・インターナショナル

http://watashinosugao.com/

2月21日(金)~シネ・リーブル梅田 3月20日(金)~シネ・リーブル神戸で公開

こちらの記事もどうぞ

error: Content is protected !!