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【とっておきシネマ】日本映画『アイ・アム まきもと』

さて、今週の「とっておきシネマ」もう1本は、阿部サダオさん主演「アイ・アム まきもと」。
物語のベースとなっているのは、第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で監督賞を含む4賞を受賞したウベルト・パゾリーニ監督・脚本の『おみおくりの作法』(15)。

©2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会

【STORY】
小さな市役所の市民福祉局に勤める牧本は、空気が読めない、人の話を全く聞かない、そしてなかなか心を開かない変わり者。
そんなコミュニケーション下手の牧本の仕事は、身寄りがなく独りで亡くなった人を無縁墓地に埋葬する「おみおくり係」。
誰も頼んでいないのに葬儀を自費で執り行い、「遺族が引き取りに来るかもしれないから」と遺骨はすぐに納骨せず、自分のデスクの下に一時保管。
身寄りから遺骨の受け取りを拒否され、保管期限を超過し刑事・神代に怒号を浴びせられる日々。
それでも亡くなった人を一心に思い、自分ルールを守り、せっせと仕事をしていく。
ある日、牧本は身寄りなく亡くなった老人・蕪木の部屋を訪れ、彼の娘と思しき少女の写真を見つける。
折しも、県庁からきた新任局長が「おみおくり係」廃止を決定したため、これが“最後の仕事”となってしまった牧本。
彼は、写真の少女探しと、一人でも多くの参列者を葬儀に呼ぶため、わずかな手がかりを頼りに蕪木のかつての友人や知人を探し、訪ねていく……。

©2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会

【REVIEW】
阿部サダオさん演じる牧本は、最小限の物に囲まれた無機質で機能的な部屋にひとり住む。
決まった時間に食事をし、飼っている金魚に餌をやり、そしておみおくりした人の写真をアルバムに貼っていくことが日課。
何かに集中すると猪突猛進で他のことはそっちのけ、ついつい視野が狭くなってしまい「牧本、ついこうなって(狭い視野のジェスチャー)いました~」が口癖である。
一見、そんな迷惑な人が繰り広げるコメディのように思えるが、実は人としての優しさにあふれた物語である。

©2022 映画『アイ・アム まきもと』製作委員会

彼がなぜ、身寄りがなかったり引き取りを拒否された人の遺骨や葬儀を大切に思うのか。
彼自身が“ひとりぼっち”という共感もあるだろうが、“他者に対する敬意”を強烈に持っているからではないか。
~人を憂(うれ)うことが出来る人が優しく、人間として優(すぐ)れている~
この太宰治の言葉は、本作の水田伸生監督が教えてくれた。
人の最期を憂い、敬意をもって見送る……そんな牧本こそが、本当に人として優しく、人間として優れているに違いない。
“優れている”はともかく、優しい人でありたいと深く思う。

監督:水田伸生
出演:阿部サダオ 満島ひかり 宇崎竜童 松下洸平 でんでん 松尾スズキ 坪倉由幸(我が家)宮沢りえ 國村隼
2022年/104分/日本/配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
https://www.iammakimoto.jp/
9月30日(金)~TOHOシネマズ梅田 TOHOシネマズ西宮OS イオンシネマ三田WT などで公開

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