金曜の夜9時からおおくりしている最新シネマ情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。
今週のとっておきの１本は、南の島のトロピカルな景色を存分に楽しみながら観ていただけるコメディ『チケット・トゥ・パラダイス』。
『オーシャンズ１１』（‘01）で夫婦役として共演した、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが仲の悪い元夫婦というキャスティング。
二人を当て書きにして脚本が書かれ、さらに二人揃ってエグゼクティブ・プロデューサーにも名を連ねるという、クルーニーとロバーツのやる気に満ち溢れた作品。
華やかで明るく笑えるストーリー展開は、これぞ“ハリウッドの王道娯楽映画”という仕上がりになっています。
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved．
【STORY】
デヴィッドとジョージアは20年前に離婚した、元夫婦。
必要に迫られて会っても、いがみ合いばかりしている。
愛娘リリーのロースクール卒業式でも、お互いマウントの取り合いで周囲を巻き込んでしまう。
ところが、卒業旅行でバリ島に向かったリリーから「現地で出会った男性と結婚する」という連絡を受けた二人は急遽南国の島へ。
弁護士になる将来を捨てて、会ったばかりの男と結婚なんて・・・自分たちが犯した過ちを繰り返して欲しくない！と、二人の結婚阻止ミッションが始動する。
果たして彼らは娘の結婚を止められるのか？！
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved．
【REVIEW】
監督は、『マンマ・ミーア！ヒア・ウィー・ゴー』（‘18）のオル・パーカー監督。
「観た瞬間に、飛行機を予約して荷造りを始めたくなるような映画にしたい」という監督の思いは、十分伝わってくる。
トロピカルな景色満載のこの映画で存分にリゾート気分を味わいながら、「私も南の島に行きたい！」とワクワクした気持ちになった。
仲の悪い元夫婦、デヴィッドとジョージアは一人娘のリリーを授かったものの、わずか5年で離婚。
それからは犬猿の仲を貫き、お互い、娘への愛情がいかに大きいかでマウントを取り合い、会えば口喧嘩や罵り合うという間柄なのだ。
しかし、若すぎる結婚で自分たちのような失敗はしてほしくないという親心は、二人共通の気持ちなのである。
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved．
さて、なんとかこの結婚を阻止しようと、二人がタッグを組み、乗り込んでいくバリ島。
神秘的な自然風景、美しい海、トロピカルな魅力あふれる地ではあるが、コロナ禍での撮影のため、オーストラリアやアメリカでの撮影も多々挿入されているとか。
それでも見どころは、美しい南の島の景色と結婚にまつわるインドネシア・バリの文化だろう。
結婚式では犬歯を削るなどというビックリするような風習も描かれ、一つ一つの儀式がとても興味深い。
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved．
そして、デヴィッドとジョージアが島の居酒屋で懐かしい曲を流されて踊り始めるシーンも、はっちゃけていて微笑ましい。
二人は束の間、愛し合っていたあの頃に戻ったような気になったのかもしれない。
何かにつけて反目し合うデヴィッドとジョージアだが、本当は今でも何かくすぶっている感情があるのでは？と、観ているこちらは勘ぐってしまう。
おそらく誰もが推測するとおりのラストかもしれないが、それでも観て損はない、文句なしに楽しい作品だ。
監督：オル・パーカー
出演：ジョージ・クルーニー ジュリア・ロバーツ ケイトリン・デヴァー ビリー・ロード マキシム・ブティエ リュカ・ブラヴォー
2022年/アメリカ/104分/配給：東宝東和
https://ticket2paradise.jp/
11月3日（木・祝）全国公開
関西では、大阪ステーションシティシネマ TOHOシネマズ梅田 TOHOシネマズ西宮OSなどで公開
