金曜の夜9時からおおくりしている、最新映画情報番組「とっておきシネマ」の鳥飼美紀です。
今週は2つの日本映画をご紹介しました。
どちらも、イオンシネマ三田ウッディタウンでも上映されるので、興味の湧いた方、ぜひ劇場でご覧くださいね。
まずは、直木賞作家・黒川博行さん原作の傑作小説『勁草』(2015年)を映画化したクライムサスペンス『BAD LANDS』。
【STORY】
年間被害総額500億円超えと言われるオレオレ詐欺。
特殊詐欺組織に加担し、「持たざる者」が「持つ者」から生きる糧を掠め取って生き延びてきたネリという姉とジョーという弟。
ふたりは、ある日思いがけず億を超える大金を手にしてしまう。
警察、そして様々な巨悪が迫る中、姉弟はこの危険な地から逃れることができるのか。
【REVIEW】
BAD LANDSとは、直訳すると……悪い土地。つまり荒んだ場所ということだろう。
オレオレ詐欺の名簿屋・高城やネリたちが溜まり場にしているのが「バッド・ランズ」というビリヤード場だ。
また、原作小説のタイトル『勁草』とは強い草のことで、荒んだ土地で逞しく生き抜く雑草のような主人公たちを思い浮かべてしまう。
原作での主人公は橋岡という男だが、映画ではネリという女に、そして相棒である矢代をネリの異父弟ジョーに変えている。
この姉と弟を安藤サクラと山田涼介が演じ、警察に追われ、ヤクザが絡み、弟のジョーが暴走する。
果たして、地べたを這うように生きてきた姉と弟は、“BAD LANDS”から抜け出すことができるのか。
大阪・西成が舞台、大阪弁が飛び交い、警察は大阪府警……と、こてこて感満載で最新犯罪の手口を描き尽くしたクライムサスペンス。
詐欺組織と警察組織の駆け引きや、生瀬勝久や江口のりこ、天童よしみら大阪出身のキャストのこってり具合も見どころのひとつ。
監督・脚本・プロデュース:原田眞人
原作:黒川博行『勁草』(徳間文庫刊)
出演:安藤サクラ 山田涼介 生瀬勝久 吉原光夫 大場泰正 淵上泰史 縄田カノン 前田航基 サリngROCK 天童よしみ 江口のりこ 宇崎竜童
2023年/日本/143分
配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント https://www.bad-lands-movie.jp/
9月29日(金)全国ロードショー
関西では、大阪ステーションシティシネマ OSシネマズミント神戸 イオンシネマ三田WT など