みなさま 「おばんです」
山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。
この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
さて、今日紹介する東北の話題は、岩手県滝沢市で6月8日土曜日に行われる「チャグチャグ馬コ(うまっこ)」です。
古来より、牛とともに農耕にかかせない家畜だった馬の勤労を感謝する祭りで、大型の優秀な馬「南部駒」の産地として知られる南部藩において日頃の労働の感謝の意味を込めて、旧暦の5月5日に村民が鬼越蒼前神社に馬の無病息災を祈願したのがチャグチャグ馬コの起源とされています。チャグチャグ馬コの最大の魅力は、馬コが着る色鮮やかな装束と一頭当たり700個とも言われる、装束に着けられた鈴が奏でる音です。歩くたびにチャグチャグと鳴る鈴の音がこの「チャグチャグ馬コ」の名まえの由来といわれています。
昭和53年には国の無形民俗文化財に指定され平成八年には環境庁「日本の音風景百選」に選定されました。祭り当日の早朝に、鬼越蒼前神社でお参りをすませた後、約60頭の馬が鈴の音を響かせて盛岡市中心地を通り盛岡八幡宮まで約14キロメートルの道のりを歩きます。現在使われている装束は、参勤交代で江戸へ上る際に幕府への献上品などの荷物を運ぶ馬に着せていたものと同じように綺麗に着飾ったものです。馬の汗に強い良質の麻を素材にし、染料は紫紺染めや草木染めといった南部盛岡地域ならではのものを用い、昔ながらの手作りで、丹精込めて仕上げられています。装束の総重量は約60キログラムもあるため行進当日は早朝から家族総出で取り付けを行います。引き手の衣装にも決まりがあり、男性の場合は、腹掛け、乗馬ズボン、腕さし、地下足袋、はんてんを黒で揃え、豆絞りの手ぬぐいを鉢巻にします。女性はかすりの着物を黄色の帯で結び、前掛け、黒のももひきに白い足袋と草履、頭には赤いぼんぼりの付いた編み笠をかぶります。そして祭りを一層盛り上げるのは、チャグチャグ馬コに乗った子どもたちです。沿道を埋めた観衆に向かってかわいらしく手をふると、大人たちも感激して手をふり返します。このような心の交流が祭りの魅力でもあります。また,4時間も馬コの背に揺られて疲れ、ぐっすりと寝込んでいる子どももいて、見ている方はハラハラしますが、子ども達は落ちないように帯でしっかりと鞍に結び付けられているそうです。
今回は岩手県滝沢市で6月8日に行われる「チャグチャグ馬っコ」を紹介しました。
ではここから 東北弁で語る民話をお送りします。
今回は岩手県で語られていた民話「酒っコ飲むざしきわらす」です。
お話に出てくる
「おらほうの家」は「私らの家」
「ちせぇわらすコ」は「小さな子ども」
「おっかなぐねぇ」は「こわくはない」
「気っつかれねように」は「気づかれないように」という意味です。
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