みなさま「おばんです」山形県出身の内藤美保がお送りする「きてみで(来てみて)東北」。この番組は東北各地の紹介と、東北弁で語る民話をお届けしています。
さて、今日紹介する東北の話題は、青森県黒石市で8月14日木曜から18日月曜に行われる「黒石よされ」です。
この「黒石よされ」は徳島県の「阿波踊り」、岐阜県の「郡上踊り」と並ぶ、日本三大流し踊りの一つです。
古い伝統を持ち、毎年8月中旬、市民や県内外の観光客により夜遅くまで行われ津軽の短い夏を華やかに飾ります。
起源は、山岳宗教が盛んだった500年から600年前で盆踊りの時の男女の恋の掛け合い唄だったといわれています。
盆踊りが盛んになったのは、約200年前の天明の頃で境形右衛門(さかいぎょうえもん)という家老が、付近の農村から城下町に人を集める商工振興対策として力を入れてからだといわれています。
幕末の頃書かれた「分銅組若者日記」という書によると黒石の盆踊りは「つつみ・太鼓・三味線その数知らず」とありその盛況さがうかがわれます。
「よされ」の語源に定説はありませんが、一つには、豊作で楽しいときには「仕事をよして楽しく踊りなされ」の「仕事をよして」の「よ」と「踊りなされ」の「され」から
凶作で苦しいときには「このような世の中は早く去れ」の「世の中」の「世」と「早く去れ」の「去れ」から「よされ」といわれるようになったというのが一番有力なようです。
黒石よされは、流し踊り、廻り踊り、組踊りの三つの踊りで構成されています。
連日3000人もの踊り手による流し踊りは「黒石甚句」、「黒石じょんから」、津軽甚句の「ドダレバチ」の曲に合わせて市内の中心街を回遊します。
流し踊りの合間に、円を描く廻り踊りに変わり、そこに沿道の観客も加わり、皆が輪になって賑やかに行われます。
組踊りは、市内外から集まってくる踊り組、一組20人から30人が三味線、太鼓、唄も賑やかに津軽民謡手踊りを披露します。
近年では、創作の踊りも加わり、以前にもまして熱気のある祭りになっています。
黒石よされの「エチャホ~、エチャホ~」の掛声が街中に響きわたり踊っても、見ても、聞いても楽しいお祭りです。
その他にも祭り期間中は、大川原の火流し、浅瀬石川灯籠流し、17日 日曜と18日月曜には駅前広場で「黒石よされ廻り踊り」が開催されます。
今回は青森県黒石市で8月14日から18日に行われる「黒石よされ」を紹介しました。ではここから、東北弁で語る民話をお送りします。
今回は青森県で語られていた民話「骨なしくらげ」です。
お話に出てくる「へば」は「そしたら」、「ええごどした」は「しめたものだ」、「どったら」は「とうとう」という意味です。