今週のとっておきの1本は、透明人間のお話……と言っても、ホラーでもなければサスペンスでもありません。気がつけばハートウォーミングな家族の物語。目には見えない透明人間の姿や、その思いを想像しながら観ていただきたい作品です。
※放送内で「神津島」を「かみつしま」と読んでしまいました。正しくは「こうづしま」です。お詫びして訂正いたします。

ⓒTHE INVISIBLES Production Committee
シネマエッセイ
自宅からそう遠くない日帰り温泉に家族で出かけたときのこと。私はどちらかというと温泉好きだが、母も夫もたいして興味を示さない。2人ともせっかちで、ゆったりお湯に浸かって来し方行く末をしみじみ考えるタイプではないのだ。今回は温泉施設内の美味しそうなランチと、地元で採れる新鮮野菜の販売コーナーをエサに誘ってみた。露天風呂や岩風呂をあっさり楽しんだ後には美味しいランチである。和風レストランの入り口で案内係の女性が「4名様でよろしいですか?」と問う。我が家は夫と私と私の母の3人家族である。私は「いえ、3名です」と言いながら後ろを振り返った。誰かが後ろに並んでいるのかと思ったのだ。しかし、誰もいない。女性は少し不思議そうな顔で「あ、そうですか……3名様ですね」と言い直し、席に案内してくれた。もしかしたら案内係の女性の目にはもう1人誰かが見えていたのだろうか。ひょっとして、私たちの後ろに透明人間がたまたま立っていた? いや、透明人間なら案内係にも見えないはずだから、座敷童か霊だったのか? 今となっては、「誰かいましたか?」と案内係の女性に確認すればよかったと悔やまれる……。
さて、今回の映画は映画『見えない娘 THE INVISIBLES』である。星野家の3女ひかりは誰にも見えない透明人間としてこの世に生を受けた。物語は、SFかホラーか……と少々ドキドキする冒頭シーンから始まる。透明人間だから家族以外の誰にもその存在を知られていないなんて、ちょっと切ないけれど本人はいたって明るくすくすくと育っている。そんなひかりを含めた星野家の家族みんなで旅に出るのだが、透明人間同伴だから色々なハプニングが起こるのは当然のこと。あり得ない設定ゆえ、そんなハプニングも気楽に楽しめる。しかも観ているうちにいつのまにか、それぞれの想像するひかりの姿が見えてくるような気がするのも面白い。

ⓒTHE INVISIBLES Production Committee

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ストーリー
とある島で、ひっそりと暮らす父と三姉妹の家族。この家族には、ちょっと変わった秘密があった。それは、末娘のひかりが生まれつき“透明人間”であること。母親が亡くなった後、心配性の父は、三姉妹を人目から隠すように暮らしていた。そんなある日、東京で暮らす大女優の祖母が入院したという知らせが入る。祖母には、ひかりが透明人間であることを打ち明けていない。それでも、家族は揃って東京へと出発することに。しかし、透明人間の娘との旅は、危険と困難だらけ。果たして父は、旅を無事に終えられるのか?

ⓒTHE INVISIBLES Production Committee

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監督:竹林亮
出演:毎熊克哉 鈴木凜子 近藤華 矢山花 寺島進 余 貴美子
2026年/日本/110分
配給:PARCO CHOCOLATE Inc.
https://mienaimusume.com/
8月28日(金)全国公開
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